認知症の義母に薬の影響か?
最近のわがやの最大の関心事は、義母の変化です。
どのような変化かといえば、良いほうへの変化としか、言いようがないのです。
義母は、93歳。
この夏、義母は、認知症が進み、身体も衰え、いよいよ自分のこともわからなくなるのかという心配もあるほど、衰えているようにみえました。
それは、夏の初め頃からのことで、急に症状がすすんだのですが、9月半ばの今ではすっかり、夏以前の義母の様子にもどっています。
というか、日に日に戻りつつあるのです。
とにかくボーっとしていて、うつらうつら眠るし、身体の動きも散漫で、力も入らない。
それまで出来ていた事も、どんどん出来なくなっていく感じだったのですね。
歩行器に縋れば、自分でまがりなりにも歩いて家の中くらいは移動できていたのが、立ち上がる事もやっと。
ヨーイショ、ヨイショ、っと、掛け声ばかり張り上げるけれど、なかなか立ち上がることができません。
歩行器につかまって歩き始めるも、ちょっと曲がり角にでもかかると、オッカナイ、オッカナイと悲鳴をあげます。
後ろに車椅子を持って行って座れるようにしてやっても、闇雲に座ろうとして、なんだか滑り落ちるようなかっこうになり、全身を支えてやってようやく車椅子にお尻を下ろしてやることができるというふうです。
食事も、どんどん食べて、配膳しただけはほぼ食べてしまうというふうだったのが、いつのまにか食欲がなく、食べる量が少なすぎることを心配するようになりました。
デイサービスは、日々楽しみにしていて通っていたのですが、事業所の担当者の方々からも、いろいろと心配な様子を報告していただきました。
ケアマネさんも心配してくださり、担当者会議を開いて、今後の支援について話し合ったくらいでした。
とにかく自分から動くことがなくなって、ちゃんと生きて生活することをしなくなりつつあるといってもよいような状態でした。
なぜ急にそんなふうになってしまったのでしょう?
年齢といえば年齢だし。
今年の夏はことに暑さが酷く、こたえたのかもしれません。
おむつパッドと紙パンツを容量の大きいものに変えたり、トイレに行ったり食卓に着くときにはすべて介助したり、ゼリー状の介護食を用意したり、できる範囲で対応することを考えました。が、このまま自宅で介護は難しくなるのでは?と、密かに思いました。
ちょうどタイミングよく、主治医の受診の予約が入っていたので、様子を報告したところ、年齢からくる筋力の低下で動きが悪くなったりしたのかもしれないね、といったようなお話し。
ほかに特別に悪い病気やなにかがあるわけではないとのこと。
歩行器があれば動けるとはいうものの、車椅子主体の生活になってもう5年経つし、レビー小体認知症と言われて、要介護3になってからも同じくらい経っています。
しょうがないのだろうと思っていました。
と、受診の日の夕方、主治医から電話がありました。
いつも受診の前に、血液検査など必要な検査を受けるのですが、受診の時には間に合わなかったデータに、血液中のカルシウムの量というのがあったらしいのです。それが多過ぎる、とのこと。
とりあえず、同じ病院の外科から出ているカルシウム強化のための薬を、飲むのをやめてみましょう。
同じく、便通の為の酸化マグネシウムも多いようなので、2回を1回に。
寝つきが悪いことを本人がしきりに訴えるので飲んでいたロゼレムも、無し。
と、薬の減量を言い渡されました。
そんなふうにして一週間もたたないうちに、食欲が戻りはじめ、つかまって立ち上がったり座ったりも、安定してできるようになりました。
歩行器や車椅子の使い方も、元のように自分なりに上手く使えるようになっています。
洗面所まで、ほぼ危なげなく、歩行器で行ったり来たりできるようになりました。
毎日、アレ⁉︎ひとりで上手くやってる?ということが増えて、ほぼ以前の義母に戻ってきたのです。
送迎で来てくださる事業所の方とも、大丈夫になったみたい。イッタイ何だったのかしらと話すこと、しきり。
本人は、まったく自覚がないようで、あたりまえのように以前の生活に戻っています。
まったく、何だったのだろうと思います。
噛みあわなくて、どんどん低下していた脳の働きが、復活したかのように思えます。
そんなことがあるのか知らん?
カルシウムが邪魔をしたのでしょうか。他にもいろいろ飲んでいる薬との飲みあわせとか、とにかく飲んでいる薬の種類が多いことの弊害なのでしょうか。
それにしても、この薬の組み合わせでもうしばらく飲んでいたのに、今年の夏になってから影響が出るということがあるのでしょうか?
たぶん、カルシウムの過多やらの影響はあったのでしょう。
減らしてすぐに、効果があったのですから。
じつは以前にも、薬の影響で、見えない物が見えたり、変な思い込みで妄想に陥るという事があり、家族は大変な思いをしました。
そのときは、痛み止めの種類を減らしたり変更することで、改善されたのです。
もう何年も、あたりまえのように、朝昼晩と薬を飲んでいます。
認知症や足腰の痛みや高血圧や便通の改善や老人にありがちな体調の変化への対応に、薬は必どんどん種類が増えていました。
けれど、もしかすると、どうしても飲まなくても良い薬もあったのかもしれないのです。
本人が、アレが辛い、コレがうまくいかない、痛い、と医者とみれば訴えるので、なにかしら処方するしかなかったのでしょう。
原因から改善するということは、もう難しいので。
けれど、薬を飲んだり飲まなかったりで、こんなふうに大きな変化があるというのは、怖いことです。
老人は、つい薬を多く飲まされているということが、ありがちなのかもしれないとも思います。
気がつかずに、あのまま薬を飲み続けていたら、どうなっていたのでしょうか。
義母のつねひごろの様子や、薬の飲み方などについては、またおいおい書いていこうと思います。